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2015.12.26 へろへろ
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へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々
(鹿子裕文 著 2015年12月15日刊)

早川義夫さんが自身の日記で、自らの読書スタイルを崩してまで一気に読んでしまう程面白かった本として紹介されていました。

普段から殆ど読書をしない、純文学なんかには全く縁のないノースですが、表紙からしてなんだか面白そうだったので、早々に取り寄せてみたのですが、いや~ホント、面白かった!!

24年前に92歳の一人のおばあちゃんとの出会いをきっかけに、福岡市のお寺の一角を借りて宅老所を開設した下村恵美子さん。
その後、この貧乏介護施設「宅老所よりあい」が、職員やそこに集まる世話人と称する人々によって、権力者や政治家の手を借りずに、自分たちの手で必死にお金を集め、ついには資金0円から総額3億2千万円の特別養護老人ホームを建てしまうとという感動の実話。。

その顛末を、ひょんなことからこの騒動に巻き込まれた筆者の鹿子氏が面白可笑しく書いてます。

東京で雑誌「宝島」やロック雑誌の編集をしていた鹿子氏。
帰郷してからも編集者として活躍していたものの、やりすぎた企画によって10年ほど食べれなかった環境にあったらしい..とは、近所に住み、お互い古くからのエンケンさんの友人という繋がりで親交のあるミュージシャンのボギー氏のお話。
どうやら、お互いはみだし者同士ということでウマが合うらしい。。

無職の鹿子氏は、奥さんが作った弁当をお昼に食べては寝る毎日であったらしく(それでも気持ちと体力のモチベーションだけは保っていたらしい)、よりあいの活動に巻き込まれてからは夜遅くに帰宅する毎日となったことを奥さんに問い詰められるシーンが可笑しく描写されてますが、たぶん解っていても夫を追い詰めないこの奥さんはきっと只者でないような気がします。そう早川義夫さんの奥さんと一緒だ。。

著者としての表現力や力量を計る術を残念ながら持ち合わせていないノースですが、なんか鹿子さんて凄い人のような気がします。

全篇を通じ、よりあい代表の下村さんと施設長の村瀬孝生さんの強烈な個性と、きっと神に加護されているんだろうなと思えてしまうような二人の人を引き付ける魅力を鹿子氏は見事に描写しています。

はじめは協力的でいいことばかり言う人はいつの間にかいなくなり、その人たちはまた別のところでいいことを言っては最後にはやはりそこからもいなくなったそうです。
駆け引きなしに一生懸命馬鹿になれる事こそ人を成長させ、その人の顔や周りの人の心さえも変えていく。
筆者がこの本で一番言いたかったことがコレかな~なんて勝手に思ったりしています。

介護の現状に深く切り込むような本でありません。いわゆるドタバタ劇のようなものですが、介護する側と受ける側の壮絶な日々はきちんと書かれていて共感が持てます。

今までの介護現場とは違う、老人たちと向き合う施設を作りたいという関係者の熱意が、やがては地域の人たちを動かします。
その様は実に暖かくて清々しい気持ちにさせてくれます。

日本が世界に誇る現代詩人と称される谷川俊太郎さんも、下村さんと出会ったばっかりに(笑、このドタバタに大きく巻き込まれてしまった一人のようです。

今年の一月に亡くなった母も色々と病院や介護施設にお世話になってましたので、介護について考える機会の多かったノースですが、現在の介護の現場では介護する側の人手不足が深刻な問題になっているようです。
自分の老後のことも考えるに、今回のこの本を読んだことの意義は大きかったと思っています。


さて、この「へろへろ」。
出版のきっかけとなったのは、下村さんから資金作りのために宅老所発刊冊子の制作を強引に命じられ、頭に一杯オデキができる程のプレッシャーを抱えながらも編集者魂に火が付き、作った「ヨレヨレ」。。

ヨレヨレ


現在第4号まででておりますが、創刊から表紙を飾っている絵は福岡在住小学生画伯モンドくんが画いています。
このモンド画伯、日本のみならず海外でも個展を開くほどの有名人らしいのですが、前出のボギー氏の長男でもあります。

ありえない企画と不思議な誌面が噂を呼ぶようになり、全国の熱狂的なファンに支えられながら、3号発刊時点で14,000部が売れ、現在も増刊が続いているようです。
福岡市の書店ブックスキューブリックの「売り上げベスト10」では並み居る著名作家を押え、18週連続1、2、3位を独占するという程の人気なんだとか。。

そのヨレヨレで書ききれなかったものをまとめたのが「へろへろ」のようです。


この本は「ナナロク社」という社員4名の小さい出版社から出ています。
この出版社、佐渡島在住の女の子を1年間撮り続けた写真集『未来ちゃん』(2011年刊)が、写真集としては異例の12万部の売り上げを記録する等、結構いい本を出しているみたいです。

ナナロク社代表の村井光男氏の昨日のTwitterでこのようにつぶやいています。

今日、早川義夫さんのXmasライブにいった。僕は早川さんの方を見ていると気持ちがどうにかなってしまいそうで、ずっと窓の方を見ていた。早川さんは感動することも音楽だと歌っていた。どんな顔で歌っていたかは窓を見ていてわからなかったけど、いい顔に違いないと思った。
早川義夫さんは12月の日記でナナロク社の本について書いてくれている。『へろへろ』と『悲しみの秘義』だ。あの早川さんが立て続けに!すごい!ライブの帰りご挨拶したら、すごい良い本だねと笑顔だった。僕は感動して妙に長く顔を見すぎてしまった。


ヘロヘロ著者の鹿子裕文さんの数日前のつぶやきです。

僕はこの日のために今日までやってきたのかもしれない。早川義夫さんが僕の『へろへろ』を買って読んでくださった。そしてそのことを日記に書いてくださっている。ちゃんとやってきてよかった。泣きそうだ。というか泣いている。

本の最後に鹿子氏のプロフィールが載ってましたが、最も影響を受けた人は早川義夫と記されています。
彼もまた熱烈な早川ファンであり、早川氏同様に偏屈な人(いい意味で)のようです。

鹿子さん、無職だった時でもスピリッツだけは持ち続けてきたことが大きく花開きましたね!!


自分の輝ける未来のために、目標とか夢とかとは別の次元で、もう一度日々の生活の中で、前出のいいことばかり言う人にならないように無垢に生きてみたい~な~んて思ったりしています。
三日坊主でしょうが(笑...



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